ピシンギーニャ・プロジェクト

ブラジル音楽関係の書物などを読んだりしていると「ブラジル人の大衆は自国の伝統的な音楽にあまり興味を持っていない」ような事が書いてあるのを目にすることが多い。ボサノバの生みの親である”ジョビン”でさえも、後年はアメリカのレコード会社でレコーディングしていたそうだし、確かに今のブラジルで流行っている音楽を聴いているとポップスやロックっぽいものが多くて、ファンにとっては寂しかったりするのが現状のよう。

そんな中で今、ブラジル音楽界ではピシンギーニャ・プロジェクトが注目を集めている。これは、ブラジル政府がスポンサーを募り300人にも上るアーティストのコンサートを主催するという物で、ブラジルらしい音楽にもう一度活力を与えようと企画されたらしい。参加するアーティストは公募で選ばれ、選出されるとそれぞれが全国39の都市でコンサートを行う事になるビッグ・イベントだ。ブラジルにとって音楽は大事な産業のはず。ここ日本でもボサノバがブームになったりしているのだから、ブラジルでも頑張ってほしいと応援せずには居られない。

ピシンギーニャはブラジルのポピュラー音楽の父と呼ばれる偉大な音楽家。その人の名前を冠したプロジェクトなんて聞いただけでわくわくしてしまう。コンサートは今年の9月から始められ、来年いっぱいをかけて行われるのらしいけれど、驚くべきは参加アーティストの公募が、つい先日の7月9日が締め切りだったこと。普通のライブ・ハウスのブッキングでさえ3ヶ月前に行われる事が多い日本の状態を考えると、このスピードは驚異的と言わざるをえない。選出されたアーティストのスケジュールが合わなかったらどうするんだろうなんて、ばりばりの日本人の私はいらぬ心配をしてしまうのだが、ブラジル人達は全く意に介していないようす。このフレキシビリティーこそブラジルのパワーなんだよねと、妙に納得してしまう私。成功してほしいと心から祈りつつ、がんばれブラジル!と叫ぶのでした。

ユキーニャ

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