焼きたてのパン

ブラジルの知人宅に滞在していると毎朝、何者か見知らぬ者が茶色い紙袋を抱えてふらふらと入ってきて、手ぶらでまたふらふらと出ていくのを目にする。何かと思って聞いてみたところ、パンの配達なんだそうで、(配達する人はノックもせずに勝手にキッチンまでスルスル入ってくるのだ)ブラジルではこうやって毎日焼きたてのパンを配達してくれるサービスがある。だいたい何個くらい持ってきてもらうか予め決めておき、明日は客人があるから三つ余分に持ってきてほしいとか、少し余っているから明日は二個少なくて良いとか頼んだりも出来て、月に一度代金を支払うシステムらしい。朝食はカフェ・ダ・マニャン(朝のコーヒー)と呼ばれていて、コーヒー、パン、チーズやハム、フルーツなんかを食べるのが一般的。田舎では毎朝ポットに入れただけの、絞り立ての牛乳を配達してもらうサービスまで有ったりする。

日本でも昔は牛乳配達が有って、子供達の小遣い稼ぎになっていたけれど(年がばれるー)こんな優雅なサービスは今時お目に掛かることは出来ないのではないかしら。それが、リオ・デ・ジャネイロのような都会でも、田舎の町でも当たり前に続いているのは驚愕に値する!と思う。特別な”こだわり”のあるパンでなくても、焼きたてのパンはやっぱり美味しい。

日本のスーパーやコンビニでビニール袋に入ったパンを買いながら「本当の豊かさって、ああいうことを言うのではないか」と、しみじみ考えさせられてしまう。ブラジル人でもないのに「サウダージ・ブラジル(懐かしのブラジル)」と思わせてしまう何かがブラジルには沢山有るのだ。

ユキーニャ

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